リノベーションが注目を浴びる理由

近年注目を浴びることの増えた「リノベーション」住宅ですが、もともと中古住宅の流通比率が日本の数倍も高い欧米では、当たり前のように行われてきました。

ところが、日本国内では新築至上主義とも言える独特の文化や価値観、供給に重きをおいた戦後の国策などの影響もあって、これまであまり浸透してきませんでした。

しかし近年、今後の日本の住宅市場を考えた時に、リノベーション市場が活性化せざる得ない理由が明確になってきました。


「リノベーション」住宅が注目を浴びる主な理由

  1. 1、老朽化マンションの建て替えは非常に難しい

    「リノベーション」住宅が注目を浴びる主な理由:老朽化マンションの建て替えは非常に難しい 経済状況も生活プランも全く異なる区分所有者の80%(五分の四)以上の同意が得られないと原則不可能。

    加えて建ぺい率・容積率が現行規制で余裕がある物件でないと、建替えによって持分面積が減床されてしまう可能性が高く、多くの場合、個別に建て替え資金の負担が必要になります。

  2. 2、中古住宅の爆発的な増加

    今後、リノベーションの対象となる中古マンションのストック数は、首都圏に限定しても10年で約2倍、20年で約3倍近くになると言われています。

    増え続けるこの膨大な数の住宅市場を、流通性のある市場にすることが、今後の課題になっています。  

      築30年の
    マンションが
    登場した年
    現在
    (2005年)
    25万戸突破 50万戸突破 100万戸突破
    三大都市圏 三大都市圏
    全体
    19年前
    (1985年)
    134戸
    488,162戸 2年前
    (2003年)
    278,723戸
    1年後
    (2006年)
    568,140戸
    6年後
    (2011年)
    1,065,079戸
    首都圏 首都圏
    全体
    19年前
    (1985年)
    134戸
    328,732戸 1年前
    (2004年)
    260,051戸
    4年後
    (2009年)
    531,807戸
    10年後
    (2015年)1,033,800戸
    東京都 19年前
    (1985年)
    134戸
    177,587戸 4年後
    (2009年)
    281,133戸
    10年後
    (2015年)
    540,824戸
    26年後
    (2031年)
    1,026,821戸
    神奈川県 18年前
    (1986年)
    27戸
    78,049戸 11年後
    (2016年)
    256,415戸
    23年後
    (2028年)
    525,194戸
    近畿圏 17年前
    (1987年)
    200戸
    128,033戸 6年後
    (2011年)
    260,576戸
    13年後
    (2019年)
    517,509戸
    28年後
    (2033年)
    1,010,764戸
    中部圏 12年前
    (1993年)
    46戸
    31,397戸 22年後
    (2027年)
    256,389戸
  3. 3、資産としての流通性確保

    「リノベーション」住宅が注目を浴びる主な理由:資産としての流通性確保 バランス釜のお風呂、抜けかかった床、カビの生えたクロス・・。

    このような古くなった住宅は誰かが手を加えないと売れません。

    売れないということは、国家として膨大な資産が凍結することを意味します。
     

  4. 4、国策の転換

    「リノベーション」住宅が注目を浴びる主な理由:国策の転換 戦後一貫して取られてきたフロー(量)重視の政策から、ストック(質)重視の政策へ大きく舵取りが切られ始めました。

    今年度中にも中古住宅の流通促進を主軸においた「長期優良住宅(200年住宅)の普及に関する法案」の骨子が決まるものとみられています。
     

  5. 5、環境保護

    「リノベーション」住宅が注目を浴びる主な理由:環境保護 スクラップ&ビルドの数分の一程度の廃材しか出さない「リノベーション」はエコ的観点からも注目を集めています。

    古民家の再生など、古きものに良さを見つける時流も広がり、社会的価値観の変化も目立つようになってきています。
     

  6. 6、意識の変化

    「リノベーション」住宅が注目を浴びる主な理由:意識の変化 ひと昔前は、「一国一城の主」などといった価値観が、多くの日本人の共通の目標でもありました。ところが、時代は大きく変わりました。

    「ローンを払い終わったら定年。」という世代に育てられた若い人たちは、取得費用負担の少ない中古住宅に自分たちだけのオリジナルの居住空間を求める傾向が強くなってきています。
     

このような社会的情勢を背景に、今後さらに「リノベーション」市場が成熟することが予想されています。